そして


今でも私は、あの瞬間のことを、鮮明に覚えています。

親と連絡がつかず、学校で先生や友達と過ごしたこと、叔母の家になんとか辿り着けたこと、

テレビで見た、木と火災と共に流れていく車に家。

道路を必死で走り、迫りくる津波から逃げるも、横からの巨大津波に大型トラックが呑み込まれた瞬間。

リポーターの泣き叫ぶような声。

今観てるものが現実だなんて思ってなかった。

父が迎えに来てくれた時、こたつに寝そべり、余裕に片手をあげた私。

そのまま自宅に戻り、お風呂に入り、眠りについた、2011年3月11日。

それから言われるがまま考えた。「大変だな」って思った。でもそれが本音だったといえる自信がない。


あの時は小学4年生。その私は、今週、震災を体験した場所、小学校を卒業します。

震災があって、中学生になれなかったひとがきっといます。

私はその顔も知らない方たちのために、今日も生きていきます。

中学生としての自分を、その方たちの分まで成長させていきます。

今までも、2年間、私なりに成長してきました。

私は驚くぐらいに無力です。

でも忘れません。絶対。

あの時の日本を。今この瞬間を。胸に刻みつけて。



さあ、3年目、確実に進み始めました。